そう　あれは　私が高校生の時のお話
　

まだ可愛い時代
　の出来事である。

私の友達にN美とゆう子がいた。今でも仲良しだが。

週に何度もお互いの家にい行く間柄

むろん我　親父殿も飽きる位顔を合わせているのである。

ある夜　親父殿が仕事から帰って来た。

そして　こう言った

「今日　N美を駅まで乗せてやった」　偶然道で会ってな

そうなんだ～
　って軽く聞き流した。

でも　何度N美と会っても　N美は　全くそんな話しをしてこない。

なので私から　聞いてみた

　　「何　親父殿に駅まで乗せて貰ったんだって
」

　　「えっ？？　乗せて貰っとらんよ？？」

・・・・と。

家に帰って親父殿に経緯を聞いてみた。

車で信号待ちしてる時　横見たらN美が居たから

窓を開けて「お～いN美」って声かけた。

何処行くんだ?って聞いたら　今池の駅って言うから

じゃ　乗せてってやるよ
って経緯らしい。

車で話しもしてるのに気づかない　親父殿

でも　もっと不思議なのは　その女の子である。

見知らぬ車に乗るとは　一歩間違えれば

大変な事である
　でも親父殿はこう言った。

「N美って呼んだら　”ハイ ”　って言ったもん」

さすが親父殿

あぁ　親切で乗せてあげた　何て優しい親父殿

今後は　人の顔をもう少し覚えてもらいたいものだ。

そして　今だに

その少女が誰だったのか・・・・謎のままである